2010.03.11
そのうち日本のゲーム業界は映画業界のようになるのではないだろうか(10)
■そのうち日本のゲーム業界は映画業界のようになるのではないだろうか
最近の洋ゲー和ゲー論争やその周辺をみていると、そんな気になる。
http://www.eiren.org/toukei/data.html
これをみてほしい。映画の興行収入データの推移。かつて、映画は娯楽の王様だった。スクリーンの数は今の何倍もあった。黒沢、小津、溝口と世界的な評価を受ける監督がひしめいていた。世界的にも映画大国だった。
ところが、テレビの普及もあってスクリーンが急減する。70年代くらいからは入場者数も減っていく。単価の上昇もあって収入は増えるが、結局80年代に入り収入も減り、90年代には完全に下火になる。
一方で洋邦比率もみてみると、50年代60年代はまさに邦画全盛期だったが、70年代に逆転し始めて、90年代には何とも洋画が70%近くになる。僕はこの頃高校から大学で過ごしていたが、周囲の雰囲気を見ても「邦画なんて見るものじゃない」だった。この頃の人に映画について聞いてみると、好きな映画はことごとく洋画でしょう。個別の推移を見ると、飛び抜けて収入を稼ぐ邦画があるものの、全体としては洋画が中心。
例えば、入場者数が最低を記録した96年前後の洋邦比率はを見ると、
- 1994 邦40.1 洋59.9
- 1995 邦37.0 洋63.0
- 1996 邦36.3 洋63.7
- 1997 邦41.5 洋58.5
- 1998 邦30.2 洋69.8
というもの。
実際の中身をみてみると、
- 1994 http://www.eiren.org/toukei/1994.html 邦画はほぼアニメ
- 1995 http://www.eiren.org/toukei/1995.html もののけ姫、失楽園以外は子供向け
- 1996 http://www.eiren.org/toukei/1996.html 一位はゴジラ、「スーパーの女」とか誰か覚えている?
- 1997 http://www.eiren.org/toukei/1997.html 男はつらいよと釣りバカ以外はやっぱりアニメ、特撮
- 1998 http://www.eiren.org/toukei/1998.html 踊る大捜査線がヒットしたけど、後はアニメ中心、洋画はタイタニックの超大ヒット
という感じ。
その頃の邦画のイメージなんて
- 邦画で売れるのはアニメとかの子供向けばかり
- ありきたりなシナリオ
- 陳腐な台詞回し
- 大根役者の演技
なんてものだった。まさに今のJRPG批判と一緒。
あと10年もすれば、日本におけるゲームなんて「わざわざ一万も二万もする、ゲームしかできない機械なんて買わない、スマートフォンで良い」「和ゲーはありきたりでつまんない」「洋ゲーの派手な演出の方がなんだかんだで金かかっているし、面白い」という評判になって、ゲームをやるとしたら「とりあえず任天堂」か「洋ゲーのローカライズ待ち」なんてことになるかもしれない。
だから、まさに映画の70年代から80年代に差し掛かっている今この時点で上を目指せないゲーム会社は、早晩ダメになるし、日本の市場のためにも良くない。今は、宮本茂が黒沢明、堀井雄二が小津安二郎でいてくれるけど、その後継者が日本、海外で成果をあげられなくなったら、衰退して、ジリ貧になるね。海外指向を非難するユーザーらも同罪。別につまらないゲームは無理にやらなくてもいいけど、非難するのは意味がない。
個人的な感覚では、iPhoneゲームが既にそうなっている。一部の大手が既存の資産を投入しているけど、やっぱりアメリカの会社で作ったゲームの方がよくできている。日本発もそれなりだけど、続けるだけのモチベーションのあるものが少ない。「日本ではiPhone市場が…」なんて言っている間にアメリカ発、場合によっては中国、韓国発のゲームがどんどん質を向上させている。収益方法も無料でスタートでその後利益をあげる仕組みも整っている。Facebookとか使って利用者を根付かせる方法も確立している。
これで仮にiPhoneがもっと普及して、市場として本腰入れたいと思った頃には、とっくに参入余地がなくなっているよ。まあ、既に日本でも100万台とは言われているけど。
なんで、ゲーム会社、クリエイター、そして利用者も今の日本のゲーム業界が置かれている時代をもうちょっと自覚するべき。まあ、もしかすると、もう遅いのかもしれないけどね。
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■http://anond.hatelabo.jp/20100310135937
06年くらいから邦画の売り上げと洋画の売り上げ逆転してんだけどなw
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■http://anond.hatelabo.jp/20100310140907
統計じっくり見れば分かるけど、減ってるのはスクリーン数だけで売り上げは邦画だけに限ってみても横ばいもしくは微増くらいであり、「かつては」って文脈で語られるべきこととも思わんけどな。
この売り上げの額の中にレンタルビデオ市場の数字は入ってねえし。
ハリウッド文化が日本の人民に膾炙しただけじゃねえか。何が冬の時代だよ。
追記:
ついでにレンタルビデオ市場をぐぐってみた。
http://rental.happy-works.net/
トップ1の企業だけで映画産業そのものの市場を追い抜いちゃってるんだが!?
つーことは、両方の数字を並べないと迂闊なことは言えないように思うんだ。
まあゲーム産業と映画産業は全然違うから、何を言おうと牽強付会に過ぎんのだけどな。
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■http://anond.hatelabo.jp/20100310141437
つまり、ひとつのコンテンツに関して第二市場ができたってわけだ。
じゃあ、ゲームにおける確実な第二市場って何? スマフォ?
あと、映画自体の売上がどうだろうが、洋邦比率は変わんないよね。
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■http://anond.hatelabo.jp/20100310140051
うん、それは知っているよ。00年代に入ってようやく持ち直したんだよ。それまでの邦画のイメージって、どんなだったか覚えている?
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■http://anond.hatelabo.jp/20100310145144
知らない。教えてくれ。
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■http://anond.hatelabo.jp/20100310135937
で、その頃の洋画の大作に匹敵するくらい
国内で売れてる洋ゲーってある?
逆に、邦画全盛時代、
マリオやゼルダ程度でも
海外に行って売れた邦画ってある?
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■http://anond.hatelabo.jp/20100310152910
あまり映画のアナロジーをひっぱりたくはないけど。
確かに家庭用ゲーム機ではいわゆる洋ゲーの大ヒットはシムシティみたいのを除いて多くないけど、それ以外の領域では洋邦比率はそんなに有利じゃないんじゃない? 正確なデータを持っているわけじゃないけど。よく言われるのはmixiアプリの一番がサンシャイン牧場であるとか、ネトゲは洋ゲーが強いとか、そんなところ。
家庭用ゲーム機が今後も聖域であり続けるとは思えないし、そういう意味で危機感を持つべきだと思う。

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